4D Write Pro ドキュメントには、変数やフィールドに限らず、フォーミュラやプロジェクトメソッド、4D コマンドなどの動的な 4D式への参照を含めることができます。ドキュメントの表示および印刷の際に、これらの参照は評価されます。セキュリティ上の理由により、適切でない式が使用されてしまったり、データベースに想定外の変更を加えるなどの影響を与えてしまったりしないよう、動的な式の評価は開発者によって制限する必要があります。例えば、DELETE SELECTION のようなコマンドや "DeleteOrders" といったメソッドの実行は制限したほうがよいでしょう。
注: 式を挿入するには、ST INSERT EXPRESSION コマンドを使うか、HTML エディターで 4D Write Pro ドキュメントを編集します。
4D v16 より、4D Write Pro ドキュメントに挿入される 4D コマンドやプロジェクトメソッドの評価は、データベースレベルで設定される通常の 4D のフィルタリング機能によって管理されます。このオプションは "データベース設定" ダイアログのセキュリティページで提供されています:

デフォルトでは、すべてのユーザーに対して制限が課されるため、明示的に許可されたコマンドやメソッド以外を使用すると、評価エラーが発生します。この制限を部分的に緩和することも (Designer と Administrator は制限しない)、誰も制限しないことも可能です。このオプションは 4D データベース全体に対して有効で、ユーザーによるフォーミュラの評価をすべて管理します。このオプションについての詳細は、デザインリファレンスマニュアルを参照ください。
制限が有効になっている場合:
- ユーザーはフォーミュラエディターの右端にあるコマンドリストに表示されているコマンドしか使用できません:

- ユーザーはプロジェクトメソッドを実行できません。4D Write ドキュメントで使用するには、 SET ALLOWED METHODS コマンドを使って明示的に許可する必要があります。
4D Write Pro ドキュメント内で式の評価中に許可されていない 4D コマンドやメソッドが見つかると、値が " ## Error # 48" に置き換わります。
4D Write Pro ドキュメントに次の式を挿入します:
セキュリティの設定で制限がかかっていると、Gender メソッドは評価されません:

その場合には次のようなコードを実行します:
すると Gender メソッドが評価され、値が返されます:

以前のリリースでは、4D Write Pro ドキュメントのフィルタリング機能は有効になっていませんでした。4D Write Pro ドキュメントで 4D メソッドを参照しているデータベースを 4D v16 以上に変換した場合、これらは評価されなくなり、"## Error # 48" メッセージが表示されます。このような場合には、SET ALLOWED METHODS コマンドを使用して、当該メソッドを許可リストに追加します。