4Dは2つのモードで動作します。一つはデザインモード、もう一つはアプリケーションモードです。
デザインモードではアプリケーションの設計、開発、およびテストを行います。アプリケーションデザインのすべてのアスペクトはデザインモード内で実装されます。デザインモードではテーブルやフィールド作成、テーブル間のリレーション定義、データ入力や表示・印刷のためのフォームを作成、パスワードアクセスステムの実装、カスタムメニューの作成、データベースオブジェクトへのメソッドの割り当て等を行います。
例えば会社の従業員の情報を追跡したいとします。デザインモードで[Employees]テーブルを作成し、従業員データ (従業員名、肩書き、入社日、給与など) を格納するフィールドをテーブルに追加します。また会社内の部署に関する情報を格納する[Departments]テーブルを作成することもできます。そしてこれらのテーブル間にリレーションを作成し、ある部署で誰が働いているか、またある従業員はどの部署で働いているかを効率的に決定することができるようになります。
デザインモードではさまざまなウィンドウやエディターを使用して、データベースのデータに対して標準の処理を実行できます。データを入力、特定のレコードの検索、読み込みや書き出し、レポートの印刷、ラベルの生成などを行えます。つまりこのモードではデータの入力やレコードの読み込み、メソッドを実行するなどして、データベースの機能をテストすることができます。ここで提供されるエディターはアプリケーションモードでユーザに提供されるのと同じものです。
ユーザーモードでは以下のことを行えます:
- データを格納するテーブルやフィールドを作成。
- テーブル間のリレーションを定義。
- データを入力、表示、印刷、公開するためのフォームを作成。
- データ入力を簡易にしかつ制御するための選択リストを作成。
- データベース処理を自動化するためのメソッドの作成と実行。
- カスタムメニューを作成してメソッドや自動標準アクションを割り当て。
- 複数のプロセスを作成・管理し、同時に複数のデータベース処理を実行。
- 情報へのアクセス制御を行うためのパスワードシステムの設定。
- WebサーバーやSQLサーバーを起動し、外部アプリケーションからデータにアクセス。
- 実行速度の高速化するためにアプリケーションをコンパイル。
- データベースと4Dエンジンを統合してスタンドアロンアプリケーションをビルド。
- データ複製を含む自動バックアップシステムの設定。
- データの入力や更新。
- データの表示や印刷。
- レコードの検索や並び替え。
- レポートやラベル、グラフの作成。
- データの読み込みや書き出し。
- データベースにインストールされた4Dプラグインの利用。
アプリケーションモードはカスタムアプリケーションの実行環境です。カスタムアプリケーションは4D上で動作しますが独自のメニューシステムとスクリーンデザインを持ちます。デザインモードで作成されたアプリケーションは通常このモードで配布されます。デザインモードからアプリケーションモードに移動するには、実行メニューからアプリケーションテストを選択します。
アプリケーションモード内では、アプリケーションが使用するメニューやフォームからデータの入力・処理・表示に使用されるメソッドまで、開発者がアプリケーションのすべてをコントロールします。メニュー項目を作成してメソッドを割り当てたり、データ入力や更新・検索・並び替え・レポートなどの基本タスクを行う標準アクションを割り当てたりするのは、開発者の責任で行います。4Dが提供する標準のエディター (並び替えやラベル) を使用したり、スクリーンやエディターを自作することもできます。
アプリケーションモードは作成するアプリケーションごとに完全に異なるものになることができます。ユーザー視点からすると、アプリケーションモードは特定の情報管理を行うための完全なアプリケーションです。
4Dが生成するデフォルトのメニューバーにはモードメニューが含まれていて、そこからデザインモードに戻ることができます。
複数のモードのウィンドウが同時に開かれている場合、それぞれのウィンドウをクリックすることでモードを切り替えることができます。ウィンドウをクリックすると、4Dはこのウィンドウを前面にし、そのウィンドウが属するモードをアクティブにします。