概要

4Dのデザインモードでは、2つのアプリケーション間でオブジェクトを移動させることができます。あるデータベースで作成したテーブルやフォーム、メソッドを他のデータベースにコピーできます。これによりデータベースの開発がより容易になります。

オブジェクトの移動は個々のオブジェクトに制限されません。それらのオブジェクトから参照される、例えば依存するオブジェクトも関連します。そのため、機能全体を移動することができます。例えばカスタム検索ダイアログを作成した場合、ダイアログボックスとして使用するフォーム、並びに使用されるすべてのメソッド、ピクチャー、その他のオブジェクトを移動できます。フォームを他のデータベースまたはデータベースで現在使用されている機能をグループ化するライブラリーにコピーできます。
特定のオブジェクトもまた分割できません。それらは必ず親オブジェクトとともに移動されます。分割できないオブジェクトに関しては後述します。

オブジェクトはツールボックス、エクスプローラー、そしてフォームエディターから移動できます。さらにデザインモードを検索の結果ウィンドウから移動を実行することもできます (結果ウィンドウ参照)。

構造上の整合性を保つため、特定のオブジェクトをコピーする場合に、そのオブジェクトと不可分のオブジェクトもコピーされることがあります。例えばフォームをコピーすると、フォームメソッドやオブジェクトメソッドもコピーされます。これらの分割できないオブジェクトはそれ単体では移動できません。

以下は移動可能なオブジェクトと、それと分割できないオブジェクトのリストです:

オブジェクトは標準のドラッグ＆ドロップやコピー/ペーストで移動できます。

ドラッグ＆ドロップを使用して2つのデータベース間でオブジェクトを移動するには、4Dアプリケーションを複製する必要があります。

データベース間の移動の場合、移動されるオブジェクトは、移動元と同じ環境 (ツールボックスやエクスプローラー等)、またはアプリケーションの他のエリアにペーストあるいはドロップできます。4Dは可能な限りコンテキストに従い適切な処理を行います。例えばフォームをメソッドエディターウィンドウにドロップできます。この場合、メソッドにフォーム名が挿入されます。

移動の間、同じタイプで同じ名前のオブジェクトが移動先のデータベースに存在すると、デフォルトで既存のオブジェクトが移動されたオブジェクトで上書きされます。この場合移動ダイアログボックスが表示され、オブジェクトが置換されようとしていることを示し、開発者はこのアクションを変更できます。

以下のメカニズムに留意してください:

• 表示とレベル: 移動されたフォームオブジェクトはエディタ中の位置プロパティ (特に表示位置やフォームの異なるレベル) を保持します。
• 継承フォーム: 継承フォームはソースフォームとともには移動されません。しかし参照は保持されます。さらに継承フォームは依存オブジェクトとして扱われ、移動が実行されたとき、他の (既存の) フォームを継承フォームとして使用できます (後述参照)。
• アクセス権: 移動されるフォームやプロジェクトメソッドは元のアクセス権を保持しません。自動でデフォルト値 ("すべてのグループ") となります。
• フォルダー: エクスプローラーのホームページからフォルダーを移動すると、フォルダーおよび底に含まれるすべての内容 (テーブル、フォーム、プロジェクトメソッド) が処理の対象となります。これは大量のデータ処理となる可能性があります。このタイプの移動の場合、この動作を示すために警告ダイアログボックスが表示されます。

注: エクスプローラーのゴミ箱ページからオブジェクトをドラッグすることはできません。

• フォーム (テーブルおよびプロジェクト) はリスト、ピクチャーなど他のオブジェクトを参照することがあります。これらのオブジェクトは依存オブジェクトと呼ばれます。特定のケースで、すべての依存オブジェクトを移動する必要があるかもしれませんし、他の場合では、そのうちのいくつかあるいはまったくオブジェクトを移動しない場合もあるかもしれません。4Dではデータベース設定の移動ページや移動ダイアログボックスを使用して、依存オブジェクトの移動をコントロールできます。
  移動設定は依存オブジェクトの移動時に適用される原則を定義します。オブジェクトごとに様々なデフォルトオプションを指定できます。詳細は移動プロパティを参照してください。
• 4D v13より、メソッドで参照されているテーブルは、メソッドとともにデフォルトで移動されるようになりました。結果ウィンドウやエクスプローラーからメソッドをドラッグする際にShiftキーを押すことで、この動作を無効にすることができます。