4D v16.3はじめに |
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4D v16.3
はじめに
はじめに
Web サービスは、一連の機能をエンティティ (実体) として集めたものであり、ネットワーク上に公開されます。これらの機能は、Web サービスに対応し、かつ同じネットワークに接続する任意のアプリケーションから呼び出したり、使用することができます。当然ながら、Web サービスはインターネット上に公開された上で、最大限に利用されることを目的としています。 Web サービスにより、運送会社の貨物配送管理や eコマース、市場価格の監視など、あらゆる種類のタスクを実行することができます。 このサービスを公開するプログラムは、“サーバー”と呼ばれます。したがって、Web サービスに対応しているアプリケーションはすべて、これらの機能を一つ以上利用することができます。これが“クライアント”プログラムです。Web サービスの利点は、さまざまな情報システムとの相互運用が可能であるところです。つまり、このシステムが機能するために、サーバー側とクライアント側のプログラムが互いに互換性を持つ必要はありません。クライアントアプリケーション側からみると、Web サービスは“ブラックボックス”のようなものです。これは、ある値を Web サービスに送信すると、処理結果である別の値が返されるためです。 サーバーが提供する Web サービスは、パブリックまたはプライベートのいずれのタイプでも構いません。インターネット上にはパブリックタイプの Web サービスが多数提供されており、任意のアプリケーションが無料で要求を送信することができます。 Web サービスは、W3C (World Wide Web Consortium、インターネットに関する管轄機関) やコンピュータ産業の主要企業により管理されているため、信頼性が高く永続的で機能向上可能なコネクティビティソリューションの代名詞となっています。 Web サービスは、原則的に HTTP 通信プロトコルを使用して通信を行います。
4Dは、Web サービスのサーバーやクライアントとして使用することができます。Web サービスを4Dへ統合する方法はシンプルで安全です。いくつかの設定を行うだけで、公開やサブスクライブの状況を正確に監視することができます。 特に大きな変更を加えなくても、任意のプロジェクトメソッドを Web サービスとして公開することができます。公開はメソッドのプロパティで行います:
注: 4Dを使用して Web サービスの公開を行うには、特定のライセンス (SOAP ライセンス) が必要です。 4D Web サーバーは、サービスの管理、およびWSDL ファイルの公開や保守を自動的に処理します。XML でのリクエスト内容の解析やパラメーターのフォーマット、結果の送信などの操作は4Dが実行し、特定のプログラムは必要ありません。
しかし、リクエスト処理をカスタマイズしたい場合は、特定の4Dランゲージコマンドを使用することができます (4DランゲージリファレンスマニュアルのWebサービス (サーバ)参照)。 インターネット上やネットワーク上で提供されるあらゆるタイプの Web サービスをデータベースから利用することができます。大抵の場合は、Web サービスウィザードを使用すると、ほとんどプログラムを行わなくても、すべての Web サービスを直ちに使用することができます:
4Dでは、ネットワーク経由でリクエストを送信し、応答を取得することにより Web サービスを使用します。これらの処理は、“プロキシ”メソッドが担当します。Web サービスを呼びだすプロキシメソッドはすべて自動的に作成され、プログラミングなしで実行されます。つまり、自分のコードからこれらのメソッドを呼び出すだけです。 4Dのランゲージコマンドを使用し、サーバー側と同じ方法でこれらのメソッドをカスタマイズすることができます。 (Webサービス (クライアント)参照) 4Dが公開する Web サービスは、4D Web サーバーに対して設定されたセキュリティメカニズムを継承します。したがって、Web サービスのリクエストでは、パスワード、On Web AuthenticationとOn Web Connection の各データベースメソッド、SSL プロトコルの使用など、今までの Web リクエストと同じ設定を利用することができます。 さらに、特定の設定を用いて (例えば、SOAP Get info関数やSOAP request関数)、Web サービスの公開を詳細に制御することもできます。 クライアント側では、Web サービスのサーバーへの接続はSSL を用いた暗号化モードで実行できます。ここでもWEB SERVICE AUTHENTICATEコマンドを用いて、認証を必要とするサーバーへの接続を行うことができます。 Web サービスのコミュニケーションレイヤ (転送、サービスのコール、交換セキュリティを保証する) は、RPC (Remote Procedure Call) モードと DOC (Message/Document) モードという2種類のモードで運用することができます。この2つのモードは、サーバーとクライアントに対するリクエストや応答を作成するレベルにおいて異なります。 4Dは、RPC モードと DOC モードをサポートします:
SOAP プロトコルにより、単純型 (simple types) と複合型 (complex types) という2種類の XML データのやり取りが行われます。RPC モードで公開されたWeb サービスのデータは、いずれのタイプでも構いません。これとは逆に、DOC モードで公開された Web サービスのデータは、意図的に複合型となります。4Dは、単純型と複合型のデータを使用して Web サービスをサポートします。 4Dデータベースでは複合型の XML データを直接使用することができず、特別な処理が必要になります。ほとんどの場合は、Web サービスウィザードがユーザの代わりにこの処理を実行しますが、4Dの XML ランゲージコマンドを用いてこの処理を完了しなければならない場合もあります。この件に関する詳細は、Processing complex typesを参照してください。 データベースの環境設定 ("Web"テーマ) の Webサービスページを使用して、Web サービスの公開や利用に関する一般的なパラメーターを定義することができます: これらのパラメーターの働きについては、後章で説明します。各オプションに関する詳細は、Web/Web サービスページを参照してください。
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プロパティ
プロダクト: 4D
履歴
ARTICLE USAGE
デザインリファレンス ( 4D v16) |